応急処置(PRICE)

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スポーツ中に起こりやすい肉離れ・打撲・捻挫などの急性外傷。いざというとき、自分や一緒にスポーツをされる方のために正しい対処法を身につけておくと安心です。ケガの応急処置方法である「RICE処置」を覚えておきましょう。早期のRICE処置は、ケガの予後を左右します。ただし、あくまでも応急処置であって治療ではありませんので、処置後はすみやかに医療機関を受診しましょう。また、バドミントンに多いアキレス腱断裂の判断は、Thompson testなどが用いられますが、アキレス腱が切れているのに、普通に歩くことができ、数日経っても痛みが引かないケースもありますので、こちらもすみやかに医療機関を受診しましょう。

※冷えピタなどを捻挫の際に使用している光景を見かけますが、冷感ジェルシートは発熱の際に冷たさを感じる神経を刺激するメントールという成分による苦痛緩和が主な目的で、蒸発熱を利用した冷却効果は限定的なため捻挫に対しての効果はほぼありません(冷感と冷却は異なります)。熱中症に対しても同様に体温を下げる効果はありませんので注意しましょう。冷えていないビール缶に冷えピタを貼り付けて冷えますか?冷えませんよね。冷感と冷却は異なります。

Protect(保護)
まずは怪我人の保護、受傷部位の保護を行い、十分に注意を払いコートの外へ出て安全な場所へ移動しましょう。

Rest(安静)
ケガをしたら、まずは安静に保つことが大切です。安静とは、必ずしも横にして寝かせるとは限りません。むやみに動かすと悪化してしまう可能性があります。足首を回したり、アキレス腱を伸ばしてみたりせず安静にしましょう。アキレス腱断裂などの場合には、足の甲をやや伸ばした状態で固定することで苦痛が軽減されます。

Icing(冷却)
患部を氷や氷水などで冷やします。体温を下げることで、患部の毛細血管が収縮して、腫れや内出血、痛みなどが抑えられます。ただし、冷やしすぎると回復の遅れや凍傷になるリスクがあるので注意しましょう。
具体的には、氷を氷嚢やビニール袋に入れて患部に当て、20〜30分ほど冷やします。ピリピリとした痛みが出たあと無感覚な状態になったら、一度氷を外してゆっくり皮膚感覚を取り戻します。そのあと再び氷を当てましょう。これを何度か繰り返します。氷がない場合はタオルを水に浸してこまめに交換しましょう。

Compression(圧迫)
患部にテープなどを巻いて圧迫し、腫れや内出血を最小限に抑えます。きつく圧迫しすぎると血流障害や神経障害を起こしますので、しびれや変色が生じたらすぐに緩めましょう。

Elevation(挙上)
患部を心臓より高い位置に保ちます。血液が心臓に向かって流れるので、内出血による腫れを防ぐことができます。患部の下に座布団やクッション、たたんだ毛布などを敷くとよいでしょう。

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